こんばんは。ぶれいめんです。
いやー、めっきり寒くなりましたね。前のブログでは暑い暑い🥵と言ってたのに季節の移り変わりが目まぐるしくて💦
実は少し前まで体調を崩してました。そのせいか、ふらつきも若干強く感じられ、現在、週1ペースで会社に出社しているのですが、在宅勤務に変えさせてもらいました。おかげでだいぶ体調は戻ってきました!今後も色々あるでしょうが…自分の体調を第一優先にうまく乗り切っていきたいですね。
あと、Twitterにも書きましたが、10月末に2回目のコロナワクチン接種をうけます(1回目は10月3日に接種済み)。
それから、2週間くらい間をあけて11月中旬に久しぶり(約1年ぶり!?)に、泊りがけで東京出張してくる予定です(緊急事態宣言も全面解除になりましたし)。会社の人事総務部との面談、そして視覚障害にマッチした、より働きやすい職場環境についてのアドバイスを実際に東京本社で働かれている方とface to faceで面談しながら(6月末に一回Teamsで面談しました)レクチャーしてもらう予定です。
少しでも自分の日常生活・主に仕事面でプラスになれば良いのですが、進行性であることも加味して柔軟に対処できればと思っています(この話は別途 「働き方について」で記載する予定です)。
また、私的な話ですが、東京出張の際には、こちらも だいぶ久しぶりですが、大学時代の友人と会うことにしています。夕食をともにしながら、今まであったことを色々話したいと思っています。思えば彼と最後に遊んだのが、僕が東京⇒大阪に移ってくるタイミングだったので、約4年ぶり?(SCDになって初)になります。全く気を遣わず、素の自分を出せる人なので、良いストレス発散になるのではないかと今から楽しみです。
さて、今回は前回に引き続き、「遺伝」について話していこうと思います。
前回は、SCDには遺伝型と孤発型があること、自分の病型の判明(SCA7)について話してきましたが、今回は各病型の説明などをしていきたいと思います。
*今回も専門用語が非常に多く、そして難しい話になるので、極力間違った情報を提供しないように引用多めでご紹介していきたいと思います。気になった点は一番最後の参照にリンクを貼っておきますのでご覧ください。
では、先ず以下の表をご覧ください。病型は大きく分けてこのような分類になっています。今回は左の遺伝性の部分に触れていきたいと思います。
その中で先ずは、常染色体優性遺伝性のものからですが、この中で日本人に最も多いのが、SCA3(マシャド・ジョセフ病)SCA6、SCA31、DRPLA(赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)の4種類で患者全体の8割を占めているようです。
✔ 優性遺伝性 ・SCA1 ・SCA2 ・SCA3(マシャド・ジョセフ病) ・SCA6 ・SCA7 ・SCA31 ・DRPLA(赤核淡蒼球ルイ体萎縮症) 他多数
✔SCA1
発症年齢は幼少~高齢まで大きなばらつきがあるが、30-40代の発症が多い。日本では比較的少ないが、東北地方に多く見られるとのこと。歩行障害などの小脳失調で発症、徐々に進行し、緩徐眼球運動、書字障害、ろれつが回りにくいなどが主症状。痙性(けいせい/手足のつっぱり)、腱反射の亢進(こうしん/勢いが増すこと)、嚥下障害(えんげ/食べ物の飲み込み、口から胃へと運ぶ一連の動作)、顔面筋の筋力低下(能面のように表情変化が乏しくなる)を持つこともあるようです。SCA2やSCA3と比べて、痙性や腱反射の亢進が目立つようで、CAG遺伝子のリピート伸長が長い場合は、若年発症が目立ち、進行スピードも速いようです(これはどの病型でも共通です)。
✔SCA2
発症年齢は幼少~高齢まで大きなばらつきがあるが、40代の発症が多い。日本では比較的少ないが、キューバに多く見られるとのこと。進行性の小脳失調(歩行障害、ろれつの回りにくさなど)を特徴とし,本型の最大の特徴は、眼球運動速度の低下にあるようです。また、末梢神経障害を伴うため、腱反射が低下します。症状の進行に応じて、筋萎縮(筋肉が痩せること)、筋線維束性攣縮(きんせんいそくせいれんしゅく/全身に起こる小さな筋肉の収縮)、振動覚障害(局所振動)を認めることも多く、前頭葉の機能低下がみられることもあり、それが痴呆につながることもあるようです。
✔SCA3(マシャド・ジョセフ病)
マシャド・ジョセフ病というのは患者の名前に由来しているようで、米国の複数のポルトガル人家系に共通して発症した症状であることに起因しています。日本ではSCA6とともに最も頻度の高い病型で、遺伝子座・病因遺伝子ともに日本の研究者により発見されたようです。進行性の小脳失調を持つことは先に述べた2つに共通ですが、付随する症状は実に多様なようです。眼球運動障害、びっくりまなこ、顔面筋・側頭筋の委縮、末梢神経障害、パーキンソン病様症状、自律神経障害(睡眠障害、インポテンツ、起立性低血圧など)、ただ明らかな痴呆は伴わないようです。
✔SCA6
優性遺伝の中でもSCA3に次いで罹患数が多いですが、病因遺伝子の機能解明も進んでいるため、将来的には病態解明、治療法の確立などが期待されています。地域差があるようで、特に西日本に多いとのこと。発症は50代と比較的高齢。遺伝性純粋小脳失調症とも呼ばれ、その名の通り症状には、歩行時のふらつき、ろれつの回りにくさ、めまい、自分と対象物までの距離の把握が難しく、ものがうまくつかめない、グラグラと動揺したりするようです。また、遺伝性純粋小脳失調症には、SCA5、SCA10、SCA11もあるようですが、SCA6と症状は似ています。繰り返しになりますが、SCA6は今後の治療法の確立が十分に見込める型です。実際、同一遺伝子の異常で起こる病気への有効な予防薬(アセタゾラミド)が開発されています。
✔SCA7
前回述べましたが、日本ではあまり症例がありません。症状としては小脳失調と同時に、黄斑変性を伴います。網膜色素変性症と合併している例もあると聞きます。視力低下、眼球運動障害、腱反射の亢進、深部感覚障害(筋肉や腱で感知した刺激をうまく脳に伝えることができない)などです。
ご参考:Vol.11【難病・脊髄小脳変性症】遺伝子型について①
✔SCA31
発症年齢が60代と比較的高齢であるのが特徴。長野県では発症例の半数がSCA31とのこと。本型のほとんどが日本で出現しており、アジアの近隣諸国にはほとんど見られず、欧米では1例も認められないことから日本特有のものであるようです。症状は小脳症状で歩行時のふらつき、ろれつの回りにくさなどです。 発症後10年以上経っても、多くの症例では小脳症状は進行するものの、他の神経系統に目立った障害を起こすことは少ないようです。そういう意味ではSCA31も純粋小脳失調症の一つと言えるのかもしれません。
✔DRPLA(赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)
かなり有名なので、皆さんご存知かもしれませんが、ハワイ在住の塩沢ファミリー(塩沢千秋さん(2017年に他界)、塩沢淳子さん、塩沢くりちゃん)の塩沢くりちゃんがこの病型です。彼女はまさに若年発症の典型例。たまにブログを拝見しますが、今はご自宅に戻られているようです。淳子さんの献身的なケアにも頭が下がりますが、まだ小さかった頃の元気なくりちゃんの姿を映像で見た時とのギャップに衝撃を受けたのを覚えています。本型の病因遺伝子は日本で発見されたようです。本型の特徴の一つに症状が多様、症状が発症年齢と強く関係していることがあるようです。20歳未満での発症の場合、不随意運動やけいれん発作(てんかん症状)、精神発達遅滞が症状として出てきます。成人発症の場合、歩行時のふらつき、震えなどの小脳失調、痴呆、不随意運動などが主症状となります。このように全く違った症状が出てくるため、同じ家系で別疾患が発生しているように見えることがあるようです。
さて、続いて常染色体劣性遺伝のものを見ていきたいと思いますが、これらの詳しい説明は割愛させてもらいたいと思います。
劣性遺伝に関する詳しい説明は名古屋セントラル病院のHPを参照ください。
✔ 劣性遺伝性 ・フリードライヒ失調症 ・ビタミンE単独欠乏性失調症 ・アプラタキシン欠損症 ・セナタキシン欠損症 ・シャルルヴォア-サグエ型痙性失調症 他
このような種類があるようですが、劣性遺伝性のSCDは、日本人では数%しか発症しないようです。欧米ではフリードライヒ失調症が最も多い(特にイタリア)と言われています。
一方で、日本ではフリードライヒ失調症の患者はいないようです。
ビタミンE単独欠乏性失調症は、小児期 or 思春期発症、40-60代の発症と2種類あるようで、ふらつき、ろれつの回りにくさ、細かい手指の運動が困難、震えなどは共通しているようですが、小児期では心筋症、40-60代では網膜色素変性症を合併することがあるようです。
次回は、孤発性SCDの症状、痙性対麻痺について見ていきたいと思います👋
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
参照:①脊髄小脳変性症の分類
③脊髄小脳変性症のすべて(日本プランニングセンター発行)